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車暦ご紹介♪ その3 [思い出(車暦紹介)]

ちょっと昔を振り返る車暦ご紹介[るんるん]

今回はその3です。

限定解除を無事習得し、いよいよバイク生活とも一旦距離を置く事となります。

まずは新しい相棒を探すところから始まります。

前記事はこちら

 

自動車整備士としては比較的恵まれた環境で仕事を覚えられ、それなりに作業もできるようになって

いろいろな車を運転する機会にも恵まれます。

そうした中で、各車の良い点、悪い点、いろいろな事を知る事もできました。

当時はチューニング全盛期。

自動車レースもグループAなど市販車を改造したマシンが名誉をかけて競い合っていました。

魅力的なものはやっぱりR32スカイラインGT-R。

他にもBMW、メルセデスベンツなどありましたが、あまり感心が無かったというか、輸入車に

接する機会がほとんどありませんでした。

当時の日産は、スポーツカー造りに熱が入っていてS13シルビア、180SX、パルサーGTI-R、

R32スカイラインなど、この辺りは格好のチューニングベースとなっていました。

大体はこの辺りから次の相棒を選択するようになるのですが、この辺は良く売れていただけに、車検整備

や一般整備でもよく親しんだ車両達です。

良く親しんでいるという事はそれなりに整備性の良し悪しも知っていると言う事になります。

となると、この中から消去法になっていく訳です。

まずは、S13シルビア、180SX。

この車両、比較的入手しやすく、整備性も良いです。

同僚もチューニングして乗っていました。今でも人気はありますよね。

一人で楽しむには十分な性能を持っています。ただ、後部座席のスペースが狭い、フロントがストラット

構造であるなど、今後を考えると、ちょっと自分のイメージに合わない。という事で消えました。

次にパルサーGTI-R。

この車両、本来の目的では今一の成績だったようですが、チューニングするとなると、その実力を

発揮してきます。

Rの名を与えられたこの車両は、チューニングする事でGT-Rキラーとも呼ばれるポテンシャル

を秘めていました。

これはハッキリ言って欲しかった一台です。

ただ、FFベース車両の為、整備性が悪いなど、欠点もありました。

整備した経験もあり、これも少し違うな~って事で消える事になります。

となると、残るのはR32スカイラインになる訳です。

上位機種のGT-R のベースとなっている事もあり、その性能は他の車の性能を大きく凌駕していました。

プリメーラとかも候補に挙がるのですが、FFだった事、ターボ全盛期だったこの時代では、対象からは

外されました。個人的にはとても好きな車両だったんですけどね。

こんな感じでベースはスカイラインに絞り込まれていきました。

ただ、このスカイライン、ラインナップも多く、スカイラインと言ってもここから大きく4車種に分かれます。

1.R32スカイラインGT-R  (4WD RB26DETT ツインターボ)

2.R32スカイラインGTS-4 (4WD RB20DET シングルターボ)

3.R32スカイラインGTS-t  (2WD RB20DET シングルターボ)

4.R32スカイラインGTS    (2WD RB20DE NA)

ここから更に消去法になります。

まずは4.スカイラインGTS、一番値段も安いですが、それに伴ってエンジン性能、ブレーキ性能が多種

よりも落ちます。やはりターボがついていない事が致命的。ということで消えます。

次は予算的に2.GTS-t か、3.GTS-4 になっていく訳ですが、上位機種のGT-R の存在が大きく

エンジン性能が落ちると言っても駆動系はほぼ同等な訳です。

走りの性能を考えてもやっぱり、2WD、より4WDの方が早く走れるのではないか?

こういう考えにより、3.スカイラインGTS-4が残る訳です。

乗りたいベースが決まったら、次は予算の関係になる訳ですが、ずっとバイクを乗ってきたお陰で、

それほどチューニングに目覚めてなかった事、維持費も安かった事などから、ある程度の資金は

溜まっていました。

で、今後のプランをシミュレーションすると、

GTS-4を買う。

走り込む。

タイヤ、ホイールを買う。

段々、パワーに慣れてくる。

もの足りなくなる。

エンジン弄りたくなる。

お金掛かるw

チューニングにハマるのは目に見えています (^_^;)

エンジン別によるチューニングメニューや金額面などの情報も豊富だったので、エンジンチューニング

をしていった時の金額と得られるパワーを調べる事になります。

ベースとなるRB20DET、決して悪い素材では無かったのですが、排気量が小さい為、チューニング

しても限界はすぐ訪れます。

タービン交換、

排気量UP、

いっその事、RB26DETTに乗せ換え。。。

あれ?

RB26DETT積んでる4WDってあったよね?

そうです。

ここで、まさかの上位機種。

[ぴかぴか(新しい)]1.R32スカイラインGT-Rが次の相棒に決定!![ぴかぴか(新しい)]

http://www.youtube.com/watch?v=WluEsVrXFYs&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=zFPTx4xII48&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=dZQ0OZzJFdk&feature=related

もちろん新車では買いませんが、中古でかってもその性能は他車種を大きく上回ります。(その当時は)

条件と予算を伝え、オークションで引っ張ってきてもらったのがちょうどガンメタのGT-R でした。

いよいよ納車されます。

初めての対面。車庫に停車しているその身は、なんとも言えないオーラを放っています。

[ぴかぴか(新しい)]これが、あのGT-R[ぴかぴか(新しい)]

[ぴかぴか(新しい)]やっぱりスゲー!![ぴかぴか(新しい)]

今でもその時の記憶は鮮明です。

車庫の照明に照らし出されたそのボディはとても美しく力強さを感じさせます。

憧れのGT-R を相棒にした私 O(≧▽≦)O[るんるん]

それからはその名に恥じないよう一生懸命走り込み、腕を磨いていきました。

すでに軽く足回りとマフラーは入っていたので、そこからはパワーフローとフロントパイプ、フロントLSD

以外、特にチューニングにお金をかける事もありませんでした。

タイヤは当時BS派だった私は惜しまずポテンザを入れてました。(どちらかと言うとここが一番大事)

走行性能はそれまで乗った事のあるどの車よりも滑らかで、助手席に普通の人が乗っても、

そのしなやかな走行性能を体感できるものでした。

高速性能に置いては文句の付け所はなく、とても安定した速さを持っています。[車(セダン)]

逆にワインディングでは安定した動きはありますが、絶対的な早さにはつながりません。

サイドスリップの記事で言っていたフロントヘビーな車。それがこのGT-R です。

そもそもこの車両はグループAで勝つ為に造られた車両である為、一般公道においてはスピード

レンジが違いすぎます。

動きこそ安定はしますが、重い車重とその独特の動きにより二桁の速度領域では絶対的な速さを

得る事は難しいです。

この辺はフロントに1WAY LSD を入れる事で気持ち変更できるのですが、大きくは変わりません。

とは言ってもこの車両、リアに機械式LSD が入っている為、適度にテールをスライドさせて走行するのが

楽しくて仕方ありません ( ̄ー ̄)[るんるん]

アテーサETS のお陰でリアが滑ってもコントロールしやすく前に進めます。

ちなみに4WDとは言っても通常はFRで走行してます。

また独特の癖を持っている為、コーナーに無理な侵入をしようとすると車の方からその角度では進入

できないとハンドルを通して教えてくれます。

ちょうど、教官が隣でハンドル補助してる感覚です。

このお陰で、どう運転すれば早く走る事ができるのかを強制的にを体に叩き込まれます。

欠点と言えば、重いクラッチにエンジン発熱量でしょうか。

この車両は大渋滞が特に苦手ですw

重いクラッチはドライバーを疲労させ、水温はすぐに上昇していきます。

元年式モデルだったので、初期的な欠陥はいろいろありましたが、それでも乗っていてこれ以上に

その雰囲気を超える車両にはまだ出会った事がありません。

今買うなら、3年後期以上のものがお勧めですよね。

当時の中古価格の半値ぐらいで買えるし。

この手の車両には必ず良いタイヤを履かせましょう。

最低でもスポーツタイヤね!!

この相棒と過ごした日々は、とても心地の良いものでした。

今までの所有車の中で、最初から最後まで唯一の無事故車です。

とても充実した楽しい日々を過ごし、やがてこの偉大な相棒との生活にも終わりがやってきます。

走行距離が10万キロを超え、あちこちガタが出始めます。

最大の失敗は私の誤診によるものでした。

RB26DETT、高出力エンジンなだけに寿命も決まっています。

2気筒、3気筒辺りから聴こえてくる、タペット音にも似た異音。

単純にタペット調整すればいいかなと軽く見てました。

それからしばらく様子を見ていると、ある日、油圧が低下しているのに気が付きました。

整備士をやっていて、この油圧スイッチは良く壊れるものだと決め付けていたので、とりあえず油圧

スイッチを交換してみると、油圧は正常に戻りました。

それからも気にしながら様子をみていると、タペット音らしき音も次第に大きくなってきて、たまに油圧も

落ちる事がありました。

整備士としては未経験の症状です。

油圧がかかったり、かからなかったり。。。?

ディラーでも一度症状を確認してもらいに行った事がありましたが、適切なアドバイスが貰えず、見落としは

RB26DETTの寿命を削っていきました。

それから段々と油圧が不安定になる症状が頻発して異音も大きくなっていきました。

この状態、もう誰が見ても明らかに異常です。

この頃はすでに整備士は卒業して別の仕事についていました。

この時も環境には恵まれていて、昔一緒に仕事をしていた先輩が工場を持っていたので、

良く遊びに行っていました。

とりあえず、工場に持って行って詳しく原因を確認しよう。

そう思い、相棒を工場に運転していった時、悲劇は起こりました。

エンジンルームからの大きな鈍い音の後に水温が上昇[あせあせ(飛び散る汗)]

慌てて近くの退避場に車を寄せてエンジンルームを確認すると、2気筒の近くのクランクケース側面

に3cm 程の穴が空いています。∑( ̄□ ̄;)[exclamation×2]

この時、ようやく異音の原因は想像できました。

しかし、まだ工場までは距離があります。

田舎だった為、すぐには連絡を取る事もできない。

エンジンはかかる。

もはや、このダメージでは、エンジンの再使用も不可能。

駄目とは分かっていながらも工場へそのまま自走する事にしました。

白煙を上げながらも何とか工場が見えた時、RB26DETTは最後に微かな悲鳴を上げて完全に

停止しました。

ボンネットを開けると、クランクケース側面にはコンロッドの一部が突き出しているのが見えました。

終わった。。。(T_T)

ここまでやってしまった事を後悔しながら、先輩を呼びに行き、工場へ相棒を運び込みました。

異音の原因。

タペットなんかではなくコンロッドのメタルが磨り減ってクリアランスがひろがった為に鳴っていたのです。

油圧が低下した理由もここで理解できました。

これまでに10万キロのエンジンのメタルが磨り減るなどまったくの未経験でした。

高出力エンジンはその力を得る為に大きな代償を払っています。

しっかりメンテナンスできなければこうなります。

愛車は技術を持った経験豊富な整備士に見てもらってください。。。[眼鏡]

自らの誤診で相棒を動けなくしてしまった私。

今後のことも考えながら、とりあえずエンジンを載せ換える事になりました。

休みの日には工場に行って作業を手伝います。

エンジンはすでに載せ換わってあり、T/Mを組付けるところで作業が止まってました。

GT-R のT/Mは4WDの為、センターデフがT/Mにくっ付いています。

結構、重いのです。

外す事はできても一人で組付けるのは一苦労。

ちょうどT/Mジャッキが壊れていた事もあり、先輩と私、近所のなじみ客と3人がかりでT/Mを

組付けました。持ち上げる手が途中で疲れて何回かやり直したのは言うまでもありません。[あせあせ(飛び散る汗)]

思ったよりも大変な作業となってしまいました。

やがて全ての作業も終わり、GT-R もようやく動けるようになりました。

久しぶりに乗り込んだGT-R。

しかし、以前のようなパワー感は戻っていません。

RB26DETT。

チューニングショップでも何回かお世話になった事があるのですが、そこは通称Rショップとも呼ばれ、

常連さんにも数多くのR乗りがお世話になっていたお店でした。

そこの店員さんによると、GT-R には当たりエンジンという物があり、私の相棒のエンジンはまさに

それだったらしく凄く良い評価を出してもらった事があります。

この時、店員さんの言っていた事が理解できました。

もう以前の相棒とは違うものになってしまった。。。

チューニングすれば、また元通りになるいかもしれない。

しかし、それをやるにはお金もかかる。

GT-R の速さというものに疑問を抱いた私はGT-R から降りる事を決めました。

他にも、なんとなく気にかかる事もあったので。

こうして工場の知り合いのお客さんにGT-R は引き取られ新しい生活を送る事となります。

今まで本当にありがとう。。・゚・(ノ∀`)・゚・。

GT-R は私にいろいろな事を教えてくれました。

今でもとても貴重な財産です。

皆さんも機会があれば是非乗ってみてくださいね (^o^)


タグ:思い出
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コメント 5

馬子

自分はクルマをそこまで使い込んで乗り換えた経験がないので・・・。
実に印象的なお別れでしたね。
エンジンが文字通り壊れるとは・・・。
by 馬子 (2009-03-30 00:10) 

Ten

馬子さん、こんばんは。
やっぱり、レーシングマシンは市販車とは違うものですね。
値段も高いけど、それ以上に維持が大変です (^_^;)
by Ten (2009-03-30 22:49) 

Ten

Makorin(^_^)vさん、nice! ありがとう御座います (^o^)
by Ten (2009-03-30 22:50) 

kazu

32GTRにはあこがれました!
当時はバイクに燃えてる真っ最中で車は持てませんでした。
その為かこの頃の車には未だに魅力を感じますね(≧∇≦)b
しかしあの頑丈だと聞いてたエンジンが壊れるとは!
熱い走りをしていたのですね~
by kazu (2009-03-31 03:03) 

Ten

kazuさん、こんばんは。
バブリーカーは金のかけ方が違いますからね♪
またこんな時代が来ないかな~(^_^;)
エンジン、普通に乗ってただけなんですよ。
レッドーゾーンとか入れて走ったりしないし。
by Ten (2009-03-31 18:57) 

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