サイドスリップ調整(雑記③) [サイドスリップ調整]
前回の雑記②でタイヤ径に対してのサイドスリップ調整幅は算出することができたので、今回は実際に
調整する部分について計算してみましょう。
前記事はこちら。
サイドスリップ調整を行うには、タイロッドのロックナットを外してタイロッドを回せば良い。というところ
までは理解してると思うので、いったいどれぐらいタイロッドを回せばサイドスリップがどれぐらいの値に
なるのか?と言うところが問題です。
まずは簡単な絵を頭にイメージしてください。
ムーブの場合はこんな感じで、タイロッドのネジピッチは約 0.9mm でした。
タイロッドを1周回すとタイロッドエンドが 0.9mm 動きます。(これ大事なポイント!)
タイロッド断面はほとんどの車種は6角形だと思います。(ここもね!!)
次にハブはこんな感じです。
ロアアームとハブのジョイント取り付け部とタイロッドを取り付けるアームの長さを測ります。
ムーブの場合は約 120mmでした。
ここから計算です。
角度の算出で使った式で、a にアームの長さ=120、b にタイロッドのネジピッチ=0.9 とすると
タイロッドを1周回した時の角度(θ)は0.42971° となります。
今度はこれを調整幅の算出に使った式に当てはめると、走行距離1m に対してタイロッド1周回した
時の角度(θ)=0.42971で調整幅b=7.5mm と算出できます。
これで、
タイロッドを1周回せばサイドスリップは7.5mm変化する
ということが分かりましたね
この事を言いたいが為に、ここまで書かないといけないのは少し疲れた。。。(^_^;)
私の場合、軽4のサイドスリップ調整はタイロッド1周で約6mm、乗用車は約8mm と覚えていたので
それほど狙いが外れていない事が分かります。
この事からタイロッドは6角形なので1面(60°)回した時のサイドスリップの変化量は1.25mm という
ことが分かります。(7.5÷6=1.25)
これをタイヤの調整幅に置き換えると、タイヤ径 a=518mm、タイロッド1周回した時の角度(θ)=
0.42971 で、タイロッドを1周回した時のタイヤの調整幅(変化量)は3.885mmとなります。
ということは、タイロッドを1面(60°)回した変化量は3.885÷6=0.6475mmとなり、タイロッドを2面
(120°)回した時点で0.6475×2=1.295mm となって、タイヤ片側の調整幅の1.25mm以下を
超えることになります。
この事から仮にサイドスリップを1mm毎に調整しようとすると、タイロッドを片側で約24°毎に回す事
になります。
サイドスリップ調整をする時は、この値を目安にテスターで確認しながら調整している訳です。
サイドスリップ調整。
理解してもらえたでしょうか?(^o^)
テスター無しではサイドスリップ 1mm 毎とか細かい調整はできないのです。
というか、あの方法では確認できないのです (^_^;)
一部トラックやクラウンなんかは、こんなタイロッドなので調整はちょっと難しいのですが。
この場合、アジャスターの両脇にネジがあるため移動量は2倍になります。
なので、調整幅は1/2 となり、左右で調整する場合、1/4 の調整幅しかありません。
机上計算でここまでは出せます。
実際に調整作業を行う場合は、タイロッドエンドのふらつきやロックナットの締め付け時のズレなどで、
微妙に狙ってるポイントには合わない為、サイドスリップテスターが必要になるんですね。
上記の事も他のサイトで書かれているように、サイドスリップにのみ問題がある場合に限り、調整の
目安となるだけで、他に問題があれば、ここだけでは横滑りが直らないということもありえます。
ほとんどの車はサイドスリップ以外は調整できないので、そこまで考え込む事もないと個人的には
思いますが。。。
調整できる車はいろいろ試してみると良いと思います。
以上で机上検討終了です (^o^)
雑記④は実際、私がトーイン調整やって感じた事など書こうかなと思います。
皆さんも機会があれば、サイスリップ調整でトーインやトーアウト設定にしてみると、いろいろ楽しめ
ると思いますよ
数学、苦手ですね~。
でも、メカをいじると、どうしても数字と付き合わなければならないので、
困ったものです。
by 馬子 (2009-03-22 21:47)
馬子さん、こんばんは。
私も公式なければこんな計算できません。
整備士の時はサイドスリップテスターで確認しながらやっていたので、計算しなくても
実測で合わせ込めたし (^_^;)
経験と同じぐらいの値が出た時は安心しました (^o^)
by Ten (2009-03-22 23:44)